マルチボディダイナミクス(MBD)解析ソフトウェアの近況?

  2016.10.7(金)に開催されたマルチボディダイナミクス協議会(MBDA)主催の第4回技術講演会に参加してきました。80名くらいの方々(ソフトウェアベンダー企業含む)が参加していたと思います。
  会場では、ソフトウェアベンダー企業によるソフトウェアの紹介がされていました。PCの性能が向上していることもあり、PCへの高負荷な解析ができるようになってきています。
  中でも目を引いたのは、リアルタイムシミュレーションです(これは以前からちらほら出てはいましたが)。技術者が画面を見ながらコントローラで機器の操作をすると、その操作情報が入力(=駆動力)となってリアルタイムの運動を計算していきます。自動車教習所にあるドライビングシミュレータのようなイメージですね。物理法則、マルチボディダイナミクス(MBD)理論で計算しているので、その挙動はただのゲームではないということです。これによって、例えば自動車のテスト走行がPC内で行われ、各パーツの状態を目で見ながら評価・対応できるようになるとのことです。
  もう一つはマルチフィジックスです。多くの物理環境(風、波、地盤など)情報をモデル化し、実際の自然環境に限りなく近いモデルで解析を行う手法です。これも少し前から汎用ソフトに用いられ始めたように感じます。PCへの高負荷がこれまでなかなか出てこなかった理由かもしれません。
  PCが高性能なものになるにつれ、今まで実用的なレベルで実施できなかった解析ができるようになってきているのかもしれません。一度、展示会や講演会などに足を向けてみるのも面白いかも。
                                                                                                  2016.10.12(津久井 英之)