地球は,ずいぶんと長い間,とてつもなく大きいと考えられてきた.宇宙開発が進み,
宇宙ステーションからの映像が流され始めると,地球は大きさを持つ青く,愛らしく,弱々
しい球体である事を映像で認識できるようになった.人々の活動と比べて,地球はそん
なに大きいとは考えられなくなってきた.人間は,我が物顔に地球上を移動し,地球に
手を加え,そして環境を痛めつけている.地球は今にも壊れそうだ.この地球がとても
可哀想だ. 最近の異常気象は何であろうか.中国・北九州地方のゲリラ的どしゃぶり
で死者が多数出た.いたるところ川は氾濫し,裏山は土砂崩れ,南の島のスコールを
見ているようだ.群馬で発生した竜巻で死者が出た.家屋や車が破壊された.アメリカ
のトルネードの恐ろしさを見ているようだ.ただ事ではない. ペルー沖で発生している
エルニーニョがフィリピィン近海の海温を低下させ,日本の太平洋側の高気圧を弱くして
いるのが原因であるとのことである.梅雨前線が,いつもなら強い高気圧で日本海の方
に押しやられているのに,今年は日本の上空に長く停滞している.地球規模の環境の
変化がもたらした気象の変化が,このような災害をもたらした.いま,世界中で同じような
事が起こっている. 地球は小さく,壊れやすい,という事をもう一度,我々は考えて
ゆかなければならない. (2009.8.1 清水 信行)