2008.10.20
No. 08-002
再帰法によるマルチボディダイナミクスの理論と実際
─MATLAB演習と汎用ソフトのデモつき─
開催日 2009年3月26日(木)~27日(金)
会 場 上智大学:11−209教室
http://www.sophia.ac.jp/J/sogo.nsf/Content/access_yotsuya
http://www.sophia.ac.jp/J/sogo.nsf/Content/campusmap_yotsuya
東京都千代田区紀尾井町7-1
・JR中央線四谷駅徒歩約5分 ・JR総武線四谷駅徒歩約5分
・地下鉄丸の内線四谷駅徒歩約5分 ・地下鉄南北線四谷駅徒歩約5分
開催趣旨
本講習会では、マルチボディダイナミクスの問題を再帰的な方法により定式化し、解析するための基礎的な内容を講義し、この方法にもとづく汎用ソフトの実際問題への応用を説明します.さらに、簡単な問題を、MATLABプログラムの演習、計算式展開の演習などを通して再帰的な方法をより深く理解します.
自動車、列車、産業機械、建設機械、ロボット、宇宙構造物など各種機械構造物の設計では構造・機構設計は欠かせません.この構造・機構設計を設計段階で支援する技術として、多体系にモデル化された機械構造系を駆動系や制御系と連動して解析するマルチボディダイナミクス(MBD)解析がよく行われるようになってきています.MBD技術を利用するに当たっては、いくつかの代表的な定式化法;拡大法、射影法、再帰法、などから適切な方法を選定する必要があります.これらの方法にはそれぞれ特徴があります.定式化が難しいか、易しいか、計算効率が高いか、低いかなどです.これらの方法を理解することは理論を開発するにも、汎用ソフトを適切に使用するにも極めて重要です.
この講習会ではこれらの方法の特徴を概観し、特に計算効率に優れた再帰法について詳しく学びます.まず、簡単な2次元の具体的な例題を通して再帰法の本質を学びます。さらに、汎用ソフトで扱われている再帰法の一般理論を学びます.この理論を基に開発された、いくつかの汎用ソフトの中から、今回はRecurDynを使用してデモを行います.RecurDynにより解かれた簡単な入門問題を入力、解析、出力などに対して説明します.さらに、実際の複雑な実用問題の解析例もいくつか説明いたします.
この講習会を受講することにより、再帰法が、いかに計算効率のよい方法であるかを学ぶことができます.したがって、設計現場のCAEでは、著しい時間短縮が実現します.
題目・講師
第一日目 (休み時間は授業中に適宜とります)
10:00~10:30 講師 清水 信行 (いわき明星大学)
講習会オリエンテーション、MBD展望など.
10:30~12:00 講師 曽我部 潔 (上智大学)
座標と拘束式と自由度の基礎、特にいくつかの座標記述法のうち再帰法で使用している相対座標の特
徴について講義します.
12:00~13:00 講師 曽我部 潔
MATLABプログラム演習により、再帰法の特徴を他の座標を用いて解析した場合と比較し、実際にその
実用性を実感します.
14:00~15:30 講師 清水 信行
再帰法の一般理論─1 ; 拘束式を相対座標により巧みに記述して、速度の再帰式を導出します。
この式の展開と式の特徴を、再帰法特有の座標系と構造を理解するトポロジーに注目して説明します.
15:30~17:00 講師 清水 信行
再帰法の一般理論─2 ; 速度の再帰公式と速度変換公式が等価である事を理解し、その力学的な意味
を学びます。さらに力の再帰公式について学びます.
17:00~18:00 講師 清水 信行
講義の中で現れる基本的な概念に対する計算演習を行い、理解を深めます。再帰公式の計算、
速度式の計算、変分式の計算などです.
18:00~19:00 講師 曽我部 潔、藤川 猛、清水 信行
受講者と講師の質疑応答。
第二日目 (休み時間は授業中に適宜とります)
9:00~10:30 講師 藤川 猛 (芦屋大学)
平面問題に対して再帰法の理論を説明します。これにより三次元一般理論の理解を深めます.
具体的な問題として多リンク系などを扱います。
10:30~12:00 講師 藤川 猛
再帰法による簡単な平面モデルを具体的に解くためのMATLABプログラム演習を行います.
数値積分法のMATLABプログラムについても説明いたします。
12:00~13:00 講師 藤川 猛
RecurDynによる入門的なモデルの解析と評価のデモを行います.
14:00~15:30 講師 清水 信行
再帰法の一般理論─3 ; 再帰法による運動方程式の定式化と数値積分法の理論を説明します.
数値積分法には一般化α法などが使われます。
15:30~16:30 講師 清水 信行
講義の中で出てくる式の導出に関する演習、とくに運動方程式の導出計算、例題計算などに関連
した式の変形を実施して、内容理解を深めます.
16:30~17:30 講師 清水 信行
RecurDynの実用的なモデルの解析と評価のデモを行います.複雑な工業上の問題をいくつか
選定して解析し、解法、プログラムの特徴などを説明します。
講義の合間に適宜、休憩を取ります.
講習会参加の準備
受講生は各自ノートパソコン(CD-ROM読込み機能付)を持参して参加してください.講習会では各自
MATLABの評価版(version 6以上、こちらで準備)をインストールしていただき、実習いたします.
参加条件
講義の内容に満足していただくためには、次の条件を前提としています.
(1)マルチボディダイナミクスの基礎知識のある方
(2)大学基礎教養程度の数学(行列、微分方程式)の知識のある方
(3)MATLABを少でも使った経験のある方
定員 35名 (申込み先着順により、定員になりましたら締め切ります)
聴講料 56,000円 (学生20,000円)
聴講料は開催日の2週間前までに着金するようにご送金願います.
なお,聴講料入金後の取り消しのお申し出には応じられませんので、ご注意願います.
教材
受講者は各自「マルチボディダイナミクス(1),コロナ社」の本を購入して当日持参くだい.
講師が作成の教材は開催日の5日前までには受講者に送付いたします.
申込方法
申込者1名につき、講習会申込書(添付ファイルのFAX用紙をお使い下さい) 1枚に必要事項を記入
して、FAX (0246-28-5486)で ㈱モーションラボ宛にお申し込みください.
Fax用紙はこちらからダウンロードできます.
主催・連絡先
主 催:㈱モーションラボ https://motionlabo.com/
連絡先:問合せは下記にお願いします.
Tel : 0246-29-7183, E-mail :nshim@iwakimu.ac.jp,
清水 信行(いわき明星大学)