昨日、避難先の東京から一時的に、主人と私の二人でいわきに戻ってきた。 自宅は、原発から40kmに位置する。屋内退避対象地区である30kmの圏外である。高台にあるので、見た目には、地震や津波の被害は全くない。しかし、昨日夜9時頃、いわきに着いた時、明かりの灯っている家は全体の一割もなかった。私の知人もほとんど県外に避難している。みんな、原発による放射能を気にしてのことだ。 主人が会社の様子を見に出かけた。私は、子供達にたのまれたリストをチェックしながら、荷造りをしている。手が汚れると、まだ水は出ないのに、つい水道の蛇口に手をかけてしまう。原発はいつ収まるのだろう。 お昼過ぎに玄関のチャイムがなった。公民館の人が配給食糧を配りながら、みんなんに声をかけているようだ。人の声に気持ちが少し明るくなった。
(菊池美奈 福島県いわき市の自宅にて) |