梅雨の晴れ間に

 

        

 実家の庭の梅の木が今年も沢山の実をつけた。梅の実を見ると、幼い頃を思い出す。

家では梅酒を毎年のように漬けていた。夏になると父は氷を入れたグラスに梅酒を注いで

美味しそうに呑んでいたが、梅の実はお皿の上に載せられて手も付けられないでいた。

それを横からいただくのが私・・・。甘酸っぱくて、アルコールのせいで喉の奥が少し

熱くなり、何となく大人の気分を味わう。

そんな昔の事を、梅雨の晴れ間に、梅の木を見ながら思い出した。

今年は梅酒を漬けようかしら・・・                          (大方祥恵)