マルチボディダイナミクス(多体動力学)とは何か? 機械は複数の部品が互いに連結して全体として一つの運動を作り出し目的とする機能を発揮する。この連結した複数の部品が全体としてどのような運動をするか、その時どのような力が発生するのか、などを明らかにするのがマルチボディダイナミクスという学問である。この学問を基礎として、多数の部品から成る機械の運動をマルチボディダイナミクスソフトウェアを用いてコンピュータにより解析するのがマルチボディダイナミクス解析である。
簡単な2重振り子を例に考えてみよう。振り子Aと振り子Bの両端はピン①で結合されているとし、振り子Aの他端は天井にピン②で結合されているとする。振り子Aと振り子Bは単独ではそれぞれ独立な運動をするが、ピン①で互いに結合されているのでその点は常に同一の位置をとり自由に動くことはできなくなる。そのような状態でさらに振り子Aが天井にピン②で結合されると、この点は動くことができなくなりさらなる拘束によりさらに限られた運動を示すことになる。このときの振り子Aや振り子Bの運動、ピン①やピン②に働く力をコンピュータを利用して明らかにするのがマルチボディダイナミクス解析である。機械はもっと複雑である。そのような対象物に対してもマルチボディダイナミクス解析は有効であり機械設計などに著しい力を発揮する。
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